島民一人ひとりの想いを都政に

 南北1,000qにわたり、太平洋に点在する東京の島々には都会とは別世界の豊 かな自然や地域でお互いが支え合う精神が残っています。私自身、素晴らしい地域に暮らしているという自負や喜びがあります。

  しかし、日々の暮らしの中では、生活基盤の整備や医療・福祉そして教育といった生活に身近な問題には充分な施策が講じられているとは思えません。

 毎年、東京の島々には、巨額の予算が投じられています。島民一人当たりの投資的経費は日本一とのことです。本当にありがたいことですし、東京の島であることの 優位性を今更ながら感じています。

 また、そのために日々奮闘努力されている多くの方々には敬意を表しますが、果たして、その大きな予算が私たち島民一人ひとりに真の豊かさをもたらしているのかとなると、私は懐疑的にならざるをえません。それは、住民が本当に望んでいるお金の使い方になっているのかという思いがあるからです。多くの方々の努力の結果として獲得した予算なのですから、現行の制度上の問題はあるにしても、そのお金の使い方は、それぞれの島づくり、それぞれの住民にとって優先順位の高いものから充当していけないものかと常々考えていました。

 財源が豊かな東京都に立地している私たちの島は、たいへん恵まれています。 今、この恵まれた時代にそれぞれの島がお互いに連携しながら、個性溢れる島づく りをめざし、自立・自助への取り組みを進めることが必要なのではないでしょうか。

 私たち、今を島に暮らすものは将来に対する義務と責任があります。持続可能な地域社会にしていかなければなりません。島の暮らしを、これからの島づくりを想うとき、私たちは、そのための強い意志と行動力を持たなければ ならないと思うのです。島の暮らしに意義を見出し、島にとって変えるべきもの、残すべきものをしっかりと見極め、将来の島のあるべき姿を十分な話し合いの中から探っていかなければならないと思うのです。

 海に囲まれた島という、限られた小さな世界に暮らす私たちが、終のすみかと思い定め、少しでもより良い地域にしたいと願うのであれば、その願いを叶えるための一人ひとりの強い意志と行動が必要だと思うのです。その意志の結集が大きな力となるはずです。

                        田中えいじ